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成年後見制度について

 後見開始、保佐開始、補助開始等の申立てを考えていらっしゃる方を対象に、各制度の概要をご紹介していきます。



成年後見制度(法定後見)とは何ですか?
 精神上の障害により自分の行為の結果を判断することのできる精神的な能力(判断能力)がない方、あるいは不十分な方について、その方の権利や財産を守り、支援するための制度です。
 例えば、認知症、知的障害者、精神障害者、植物状態等の方が、
@財産の管理(預貯金口座の開設、解約、保険契約の解除など)
A各種契約(売買、福祉サービスの締結、施設への入退去など)
B遺産分割協議
などをする必要があっても、自分がどのような利益を受け、どのような不利益を被るか、本人に判断能力が全くなければ、そのような行為はできませんし、判断能力が不十分な場合にこれを本人だけに任せていたのであれば、本人にとって不利益な結果を招く恐れがあり、本人を援助する人が必要になってきます。そこで、これらの方々の保護を図るため、申立てによって家庭裁判所が援助者となる後見人等を選任し、後見人等が本人に代わってこれらの行為を行ったり、本人の行った本人に不利益な行為を取り消したりできるようにします。

後見とは何ですか?
■自分の行為の結果について合理的な判断ができない状態にある場合のことをいいます。
例)@日常的な買い物が自分では出来ない
  A家族の名前や自分の居場所も分からなくなっている
  B植物人間状態で意識が全くない
など、重度の知的、精神障害がある方、意識がなく寝たきりの状態の方、認知症の状態が進み、しっかりしているときがほとんどない方などが該当します。
■この類型に該当する場合、「後見開始」の審判の申立てに基づき、審判と同時に「成年後見人」を選任します。成年後見人は、ご本人の身上監護(介護サービスの利用契約、診療契約、施設の入退所契約など)や財産管理(預金の出し入れ、不動産の管理・処分など)について、代理権が付与されます。

保佐とは何ですか?
■自分の行為の結果について合理的な判断が著しく不十分な場合のことをいいます。
例)日常的な買い物は出来るが、不動産や自動車などの高価な物の売買や金銭の貸し借りなど重要な財産行為を行うためには、常に誰かの援助を必要とする方
など、中程度の知的、精神障害がある方、認知症がある程度進行している方などが対象です。
■この類型に該当する場合、「保佐開始」の審判の申立てに基づき、審判と同時に「保佐人」を選任します。補佐人は、本人がなした日用品の購入その他日常生活に関する行為を除き、民法第13条1項に定める一定の重要な行為(日用品の購入その他日常生活に関する行為を除く金銭の貸借、不動産や自動車等の高価品の売買、自宅の増改築等)について同意権が付与され、これらの行為には、保佐人の同意が必要となり、本人が単独で行うことができなくなります。
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補助とは何ですか?
■自分の行為の結果について合理的な判断が不十分な場合のことをいいます。
例)軽度の知的・精神障害のある方、初期の認知症状態にある方
など、日常生活に関する行為は一人ででき、財産管理などの重要な行為についても一応独力でできるが、ご本人の財産を守るためには念のため誰かに援助してもらったほうがよいなどの方が対象となります。
■この類型に該当する場合、「補助開始」の審判の申立てに基づき、審判と同時に「補助人」を選任します。その際に、本人が希望する特定の行為について補助人に援助してもらいたい場合には、裁判所の許可を得た上で、補助人が本人に代わって法律行為を行ったり(代理権)、本人がなした法律行為に関して同意したり、取り消したりすることができるようになります(同意権)。

鑑定について
■後見制度は、本人の自由意志を制限する制度ですので、本人の判断能力がどの程度あるかを医学的に判定するため、医師の鑑定が必要で(植物状態で意識の全くない場合のように明らかに必要がない場合を除く)、特に後見開始や保佐開始の審判では欠かせないものであり、家庭裁判所が主治医などに直接お願いします。
 補助の場合、本人に判断能力があり、本人の同意を前提とする手続きなので、後見や保佐ほど厳格な手続きを要せず、原則として鑑定は実施しませんが(但し、裁判所が必要と認める場合には実施します)鑑定を省略する担保として、申立時には裁判所が指定する診断書を必ず提出していただくことになります。

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